BCAAとプロテインの違いは?併用して混ぜるのに効果はあるの?

皆さんが筋トレの際に飲んでいるサプリメントには何がありますか?
筋トレの代表格としてイメージするものと言えばプロテインでしょうか?
でもサプリメントにはそれだけではないんですよ。
今回テーマとして取り上げるサプリメントはBCAAです。
BCAAは筋肥大させるのには非常に有効なサプリメントです。
筋トレを始めたばかりではあまり必要はないかも知れません。
しかしある程度筋肉が大きくなってきた後は、こんどはその筋肉を分解されないように守らなければいけません。
ということで、このBCAAが筋トレにどのように影響して、筋肉作りにどんな効果があるのかを見ていきたいと思います。
<BCAAってそもそも何なの?>
筋トレを長くしている方はBCAAという名前は聞いたことがあるかもしれません。
でもはっきりとその正体を分からなかったり、どんな効果があるのか分からないという方もいると思います。
そんな方のためにまずBCAAの正体を解説したいと思います。
BCAAとはタンパク質が分解されたアミノ酸の一種です。
アミノ酸は全部で20種類ありますが、さらに細かく分けると食物から取らなければいけない必須アミノ酸9種目と、体内で生成される非必須アミノ11種目に分類できます。
その必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンを総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼びます。
バリン
このアミノ酸はBCAAの中で疲労回復効果を担当します。
また美肌効果があったり、食欲不振を改善したりといった効果さえもおまけであります。
ロイシン
BCAAの中でも最も筋合成に役立つアミノ酸といわれています。
ロイシンが筋肉内に取り込まれることによって、筋肉の合成にスイッチが入る役割りがあるのです。
この他にもストレスの緩和やなんと育毛効果まであると言われています。
イソロイシン
これも筋合成の促進や疲労軽減効果を発揮するアミノ酸です。
後述してますがバリンのおかげで脳内疲労物質セロトニンの生成を抑えてくれます。
それによって筋肉の疲労が早くとれるんですね。
この他にも肝機能強化や糖尿病予防の効果もあり、生活習慣病の予防に貢献するアミノ酸です。
必須アミノ酸にはBCAAの他にも、メチオニン、リジン、トリプトファン等があります。
また非必須アミノ酸の有名どころにはアルギニン、アスパラギン、グルタミン等があります。
ここで疑問に思った方もいるかもしれませんが、BCAAはアミノ酸なのでタンパク質が分解されたものです。
という事はプロテインからもBCAAは摂取することができるのです。
よく見るとプロテインのパッケージには「BCAA〇〇グラム配合」などが書いてあったりします。
じゃあプロテインでいいじゃんと思うかもしれませんが、BCAAはタンパク質がすでに分解された状態です。
ですからタンパク質を分解するプロセスを省略できるため、プロテインから摂取するよりも吸収スピードがかなり速いのです。
<BCAAを摂取することのメリット>
先ほどもBCAAの効果を書いていきましたが、もう一度筋力トレーニングをする上でBCAAを飲むとどういった効果やメリットがあるのかを少し細かく解説していきましょう。
BCAAの効果その1:筋肉分解の抑制と筋肉合成の促進
ではここからBCAAを飲むとどういった効果を得れるのかを見ていきましょう。
筋肉は激しい筋トレや運動の最中に筋肉内のブドウ糖が消費されていきます。
ブドウ糖がスッカラカンになると筋肉を分解してアミノ酸にし、そこから糖を作り出してエネルギー源を確保します。
これを糖新生というのですが、BCAAを摂ることにより筋肉の分解を抑え糖新生を防いでくれます。
なぜならブドウ糖の代わりにBCAAがエネルギー源になってくれるからですね。
言うなれば身代わりになってくれます。
筋肉内のタンパク質は実に35%がBCAAで出来ていると言われていて、それだけ大きな割合のBCAAを筋肉の中にたくさん満たしておけば、トレーニングでも筋肉が分解されるのを防いでくれるのです。
この効果を得るためには筋トレを始める前にBCAAを摂取しておかなければならないのは言うまでもありません。
だいたい45分から30分前にBCAAは摂取しておくと、トレーニングの時に筋肉内にBCAAを満たすことが出来ます。
一方で筋肉を合成するには膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌される必要があるのですが、BCAAを摂取することによってインスリンの分泌量が高まるという研究結果もあります。
BCAAの中のロイシンがこのインスリンの分泌作用に関係していると言われています。
つまりBCAAは筋トレ中や筋トレが終わった後にも摂取していくことで、筋肉の分解抑制だけでなく筋肉の合成力も促進してくれる効果があるのです。
BCAAの効果その2:筋肉疲労の軽減効果がある
筋トレなどの運動時は必須アミノ酸の1つであるトリプトファンが脳内に運搬されることによって、脳内で疲労物質であるセロトニンが生成されてしまいます。
トリプトファンが脳内に運ばれて疲労物質が作られるということは、逆に言えばそのトリプトファンが脳内に運ばれなければ疲労物質であるセロトニンが作られないという事にもなります。
実は脳内におけるBCAAの運搬が優位になると、トリプトファンが脳内に運搬される働きを抑えてくれる効果があります。
それはBCAAとトリプトファンの運搬が同じ輸送体で行なわれる脳内の仕組みに関係があるためです。
なのでBCAAが不足すると疲労物質が作られやすくなってしまうんですね。
疲労を少しでも軽減するためにもBCAAを摂取していきたいところですね。
BCAAの効果その3:集中力がアップする
肉体面のみならずBCAAには集中力を上げる効果も報告されているそうです。
ですから何か大事なプレゼンや、試験の前などのミスが許されないような場面にもBCAAを飲んで集中力をアップさせることが期待できます。
<BCAAの摂取タイミングはいつが効果的なのか>
BCAAの効果がわかったところで今度はどんなタイミングで飲んでいけば効果的なのかを見ていきます。
BCAAは飲むタイミングによってその効果に微妙なちがいが現れます。
それは運動前、運動中、運動後そして起床時といったタイミングがありますのでそれぞれ見ていきましょう。
運動前と運動中にはBCAAを飲むことによって筋トレの最中に筋肉の分解を抑えてくれる効果があります。
これはプロテインでも同じ事が言えますが、体内への吸収スピードが違うためにプロテインだと運動の1時間前には飲んでおかなければいけません。
これに対しBCAAはプロテインよりは運動の直前に飲んでもすぐに吸収されます。
時間にして30分~45分前くらいで筋肉内に満たされます。
これはプロテインが肝臓を介して吸収されるのに対し、肝臓をスルーして筋肉に直接吸収されるといBCAAの性能の違いです。
それだけアミノ酸だけの不純物の無い状態というのは、体に対する作用にすぐに効果が現れるのですね。
運動中であればスポーツドリンクに混ぜて飲むことにより、激しい筋トレに取り組んでいる間も筋肉の分解を防いでくれるのです。
プロテインだけでは補いきれない吸収スピードをカバーしてくれるのはありがたいですね。
また運動後ですと筋肉の合成を促進してくれるので、筋トレの終了後にすぐにBCAAを飲んでその20~30分後くらいにプロテインを飲むとたんぱく質を逃がさずに吸収してくれます。
よくゴールデンタイムは筋トレ後の30分と言われますが、BCAAを利用するとプロテインは焦らずとも摂取できるのです。
BCAAとプロテインをタイミングを変えて組み合わせることで、効率的な筋肥大が狙えると言えますね。
吸収スピードが早いという事は、起床直後の絶食状態にも素早く吸収されるという面でプロテインよりも優れていると言えます。
寝起きも筋肉の分解ポイントですのでそこで素早くBCAAを補給して、筋肉分解を防いでください。
<BCAAの摂取量について>
BCAAは1回の摂取でどの程度取るべきなのか、これはプロテイン同様にその人の体格によって変わってきます。
薬ではないので多少飲み過ぎでも健康を害することはありませんが、BCAAは1回の摂取では5~10gを飲むといいです。
体の大きい人(80キロ以上の体重の人)は10g飲むくらいでいいでしょう。
それを1日3、4回に分けて飲むのです。
これはもうサプリメントの基本で、1回で大量に飲んでも体は吸収しきれないので数回に分けて飲んでいきましょう。
トータルで考えると1日に15g~30g摂取するのが理想です。
ですがこれ以下でもこれ以上でも効果の出る人は出ますので、色々と飲む量を変えて試してみてもいいと思いますね。
<BCAAを選ぶ際のポイント>
BCAAを購入する際にはロイシンの比率が高めなものを選びましょう。
ただ名前が有名なサプリメントメーカーのものを単純に買うのではなく、BCAAの成分内容を見てハイスペックなものがいいです。
BCAAの中では筋肉の合成に1番関わるアミノ酸がロイシンです。
理想で言えばバリン:ロイシン:イソロイシンの割合が1:2:1が良いと感じます。
これ以上のロイシン比率があるものを選ぶと筋合成に役立つBCAAと言えるでしょう。
アメリカMHP社の発表している「BCAA10X」というものには、バリン:ロイシン:イソロイシンの割合が1:10:1というとんでもない高ロイシン含有率のBCAAなんてのもあります。
このようなサプリメントは体重80キロ以上の大きい体格向けのアイテムと言えます。
ここまでの含有率出なくてもいいですが、筋肉作りの役に立たないロースペックなBCAAを購入してしまうと、高い割には効果のない無駄遣いになってしまう可能性があります。
よく栄養成分表を確認するなどして、大切なお金を無駄使いしないようにしましょう。
<BCAAとクレアチンとの違いはなんなのか!?>
BCAAと同じく代表的なサプリメントで、クレアチンというものがあります。
クレアチンとBCAAとは何が違うのでしょうか?
簡単に言えばクレアチンとは筋肉が出せる瞬間的な最大パワーを高めてくれるものです。
クレアチンが筋肉内に多く満たされていると、筋トレで追い込む際の限界の最後の数回がより上がるようになると言われます。
筋肉の収縮パワーをより高めてくれる代物なんですね。
BCAAとクレアチンは同時に摂取してもいいの?
結論から言うとBCAAとクレアチンは同時に摂取してもまったく問題はありません。
何も知らないと心理的には抵抗ありますよね!?(^_^;
なぜならBCAAは筋肉の合成言うなれば成長を促進するのに対して、クレアチンは高強度の筋肉のパワーを作り出す効果です。
お互いの吸収スピードを阻害することも無いので、同時に飲んでも大丈夫です。
クレアチンは糖質と同時に摂取すると吸収力がアップするので、食事の時に摂るのがおすすめです。
もしくはトレーニング直後のクレアチンが枯渇した状態に摂取も有効ですね。
イメージで言えばBCAAは筋トレ最中と直後、クレアチンは直後と食事の最中という感じです。
<僕が飲んでいるおすすめのBCAA>
最後に僕が飲んでいるおすすめのBCAAを紹介します。
僕が飲んでいるものは、アメリカのものでExtend社のBCAAパウダーです。
Amazonで購入しているのですが、ぶっちゃけると国産のものよりもだいぶコストパフォーマンスが良いです。
味はマンゴーネクターというフレーバーで、マンゴーと桃をミックスした味ですね。
味はさすがアメリカ産という感じでとても甘いです。
基本的にアメリカ人は甘党の方が多いため、プロテインもBCAAも甘い味がほとんどです。
日本だとグレープフルーツやレモンなど甘さが抑えられている味のサプリメントも多いのですが。
飲み方は水に混ぜて飲むのでOKですし、面倒くさければ粉のまま口に入れて水で流し込むのもアリです。
僕も時間がない時は粉のまま飲む時が稀にありますが、上記ExtendのBCAAは粉が舞いやすくむせやすいので、直接飲む場合には少量ずつ飲んでください。
慌てて飲むとかなりムセますので気をつけてください(笑)
成分ですが添付のスプーンですりきり1杯にBCAAが7g含まれています。
7gの内訳は、ロイシンが3.5g・バリンが1.75g・イソロイシンが1.75gとなっています。
バリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1という比率ですね。
その他にもグルタミンが2.5g含まれています。
注意点が、スプーンはあらかじめ添付されているのですが、かなりパウダーの奥の方に埋もれており、だいぶ飲み進めないとスプーンにお目にかかれないというところ(笑)
後は粉末がプロテインよりもかなり細かく、すぐに飛散していきます。
なのでデスクの上などで取り出すときは、慎重にしないと粉がパラパラ下に落ちていてデスクを汚します。
その他には特に気になるところはありません。
味も美味しく飲めますし、もし甘すぎると思ったら水などを多めに混ぜて飲めば甘さは緩和します。
そういったところに気をつけてみてください。
<BCAAの効果的な摂取方法のまとめ>
- BCAAは筋肉の合成を高めて、トレーニング中の筋肉の分解を防ぐ
- その他の効果として、疲労回復効果・集中力のアップなども期待できる
- 摂取タイミングは運動前の45~30分前、運動中と運動直後に飲むべき
- 摂取量は1回で5g~10gが効果的で、自分の体格で摂取量を調整する
- BCAAの選ぶポイントはロイシンの含有量・含有率
- BCAAはプロテインよりも早く摂取し、クレアチンとは同時に摂取しても大丈夫
個人的にはBCAAはプロテイン、クレアチンと並ぶ筋トレ3大サプリメントだと思っています。
非常に筋肥大においては便利で効果的なアイテムなのですが、それに伴って正直コストもかかっていきます(汗)
なので自分の経済状況をしっかりと見て余裕があるようであれば摂取してもいいと思います。
ですが誤解しないでほしいのは、プロテインのみしか摂っていないという方でも十分筋肉を作っていくことは可能です。
プロテインが分解されてBCAAが体内に取り込まれるのですから結果的に同じことなのですが、プロテインと並行してBCAAを摂取する方が効率的であるというだけです。
サプリメント無しの通常の食事のみで筋肉を作っている方もいるくらいなので、ご自身の判断で選んでみてください。
サプリメントなども楽しむことで、より良い筋トレライフを送っていきましょう!
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タクヤ
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