筋肉痛が筋トレ後に起こる原因は?痛いまま運動をしてもトレーニング効果はない?

こんにちは、トレーナーのタクヤです。
筋トレの達成感を計るものの1つとして筋肉痛ってありませんか?
筋トレの翌日に使った部位がしっかり痛かったりすると、
「昨日のトレーニングのやり方はしっかり効かせられてたんだなぁ~!」
と嬉しくなっちゃいます(笑)
痛いほどに嬉しい、これはもう完全にMの世界ですね♪
ただこの筋肉痛ってなんだか謎な部分があるというか、痛くなったあとの対処方法が人それぞれですよね?
筋肉痛が残っていても2日間ほど間隔が空けばトレーニングを再開するという方もいれば、完全に筋肉痛が無くなってからトレーニングを始めるという方まで。
そこでどんなサイクルの筋トレをするべきなのかということについていろいろ調べ、さらに自分の個人的意見も添えてみました。
筋肉痛はトレーニング自体にとって良いものなのか、悪いものなのかの判断材料にしてみてください。
<筋肉痛が起きる原因は筋肉の炎症だった>
ここではまず、なぜ筋肉痛が起きるのかということを解説します。
ただしあらかじめ言っておくと、筋肉痛のすべてが解明されているわけではないということ。
それだけ不明確なことも筋肉痛にはありますので、もしかしたら何年後かに新しい筋肉痛の理論が発表されて、今言われていることが覆る可能性があるということを理解しておいてください。
筋肉痛のメカニズム
まず筋肉痛の正式な名前は【遅発性筋痛】といいます。
筋トレなど激しい運動をしたあとに、1日~2日遅れてやってくる筋肉の痛みということです。
筋肉への強い刺激によって、筋繊維は細かく傷がついて炎症を起こします。
特に筋肉の表面にある筋膜付近では筋肉痛を起こしやすいと言われています。
筋肉痛の最中に火照った様なジンジンとした痛みを感じるのは、この筋繊維の炎症のためだったんですね。
またその小さな損傷を回復させる際に生成される物質が、筋膜を刺激して筋肉痛を引き起こしているという研究もあります。
3日後に来る筋肉痛の理由
筋肉の損傷を治すために生成される物質が筋肉痛の原因となると書きましたが、これが3日後の筋肉痛に影響していると言われています。
なぜなら普段トレーニングを積んでいて筋肉をよく使用している場合、筋肉にはたくさんの毛細血管が張り巡らされています。
しかしなかなか運動をしない方は筋肉内の毛細血管の数が少ないです。
毛細血管の数が少ないと栄養素や酸素の運搬が悪くなり、また筋肉修復のための生成物が筋膜付近に到達するまでに時間がかかります。
その結果、筋肉の修復が始まるのが2日後や3日後になって、筋肉痛が遅れてきてしまうんですね。
慣れない刺激を受けると筋肉痛が出やすい
すごく久しぶりに運動をすると翌日に筋肉痛で歩けないなんて経験したことがないですか?
親子参加の運動会の翌日に、お父さんがヒーヒー言っているなんて光景は目に浮かびますね(^_^;)
これは普段運動をしていなくて、使われていなかった筋肉を久しぶりにそして急に動かしたことによって引き起こされるのです。
動かし慣れていない箇所の筋肉というのは筋肉痛が大きくなりやすく、また同時に長引きやすいという特徴があります。
僕も初めてスクワットで大腿四頭筋(太もも)を追い込んだ翌日から、4・5日間筋肉痛が抜けなかった記憶があります。
それこそ階段の昇り降りもやっとこだった記憶を今でも覚えています(笑)
刺激に慣れて来たり筋力自体が上がることで筋肉痛は減る
先ほどとは反対に筋トレに慣れてくると今度は筋肉痛をあまり感じなくなります。
何となくのダルさや火照った感じはあるのですが、明確にこれは痛いというのは無くなっていきます。
これは以前では筋肉痛を感じていた強い刺激が、だんだんとその刺激に筋肉が慣れていくからなんです。
それに加えて筋繊維が強く太くなっており筋力が増えているからとも言えます。
不思議なものですね、回数が10回挙がるか挙がらないかといった強い刺激のトレーニングでも筋肉痛は小さくなるのです。
しかししっかり筋肉は追い込んでいるので筋繊維は破壊されているし、たんぱく質などきちんと栄養を与えればもちろん筋肉は大きくなります。
これについては後ほど説明しますね。
筋肉痛をもう一度味わいたいのなら、まったく違う種類の筋トレ種目をやってみれば筋肉痛になりやすいです。
なぜなら慣れていないから。
後は2週間以上しばらく筋トレを休んだあとに、もう一度筋トレを再開するとその部位の筋肉痛が感じやすいです。
筋トレの刺激からしばらく離れることで、その刺激がもう一度その部位にとって新鮮なものになるのです。
なおもう一度繰り返しになってしまいますが、筋肉痛の詳細は100%解明されているわけではありません。
ですから筋トレに慣れた時の筋肉痛が少なくなるという理由もまだハッキリは分かっていないのです。
運動をしていないのに来る筋肉痛
これは特殊なパターンですが、自律神経の働きが悪いことで血液の循環量が低下してしまいます。
運動をすると血流が上がるばかりと思う方もいるかも知れませんが、実際にはたくさんの運動をした時は血流が落ちてしまうことがあります。
これが運動をした状態と非常に似ており、運動もしていないのに筋肉痛が引き起こされてしまうのです。
しかし健康体の方でしたらまずは起こりえないようなケースなので、豆知識という事で大丈夫です。
<筋肉痛のときにはトレーニングしてもいいのか?>
ここからは筋肉痛の時にトレーニングはやっても良いのか?という事についてです。
僕の意見としては筋肉痛の最中は筋トレを頑張っても効果は低いと思います。
なぜなら筋肉をしっかり追い込めないからです。
ちなみにここでは筋トレをする目的は筋肥大という話で進めていきますね。
持久力を上げるための筋力トレーニングだったら、多少の筋肉痛でもやった分の効果は得れるかもしれませんね。
筋肉痛は筋力が低下しているので追い込むということができない
筋肥大をするためには限界の回数まで筋肉を使い切る必要があります。
いや、むしろ限界を迎えてからのもうひと押しがとても重要です。
それだけの筋力を発揮しないと筋肥大は起きないわけですが、筋肉痛がある状態では筋肉が回復しきっていないために限界まで追い込むことが困難になります。
限界まで追い込めないと筋肥大はおきませんからね。
実際に重りを持って筋トレをやってみて、ターゲットの部位が痛くないのなら大丈夫かもしれませんが、痛みを感じて集中できないようであればその部位は休ませてあげましょう。
筋肥大は基本的に最高のパフォーマンスで臨めば臨むほど、効果が出やすいのです。
できるだけ疲れの少ない、ベストな状態を作ってからトレーニングに入ってください。
可動域の低下も筋トレ効果が下がる
発揮できる筋力だけが筋肉の発達に関係するわけではありません。
筋肉痛になっていると関節の可動域も狭くなります。
関節周りに付随した小さな筋肉も、筋肉痛によって動かなくなります。
僕が以前に大胸筋が筋肉痛の時に、ダンベルフライをやったことがありました。
すると胸を開いたボトムポジションで大胸筋の端の筋肉痛がすごかったのを覚えています。
可動域もフルレンジで行なうことによって、筋肉にはしっかりとした強い刺激が入り筋トレの効果が高まるんです。
ちなみに筋肉の中で唯一、筋肉痛があっても毎日やってもOKという筋肉があります。
それが腹直筋(お腹の正面)の筋トレです。
腹筋は回復が早い筋肉ですので、連日になっても効果的なんですね。
有酸素運動や柔軟ストレッチでコンディショニング
では筋肉痛があるから、まったく運動をしないでも良いのかというとそうではありません。
効果的な休息方法としてアクティブリカバリーというのがあります。
アクティブリカバリーとは何もしないでジッとしているよりも軽い運動を行なうことで、血行を促進し疲労物質を流したり栄養素を筋肉に運搬するなどで疲労回復効果を高めるというものです。
具体的には筋トレをオフの日にしても、ウォーキングやジョギングをやったり、水泳やサウナで汗をかくことでもいいでしょう。
ストレッチをやったりストレッチポールなどで身体をほぐしてもいいですね。
とにかく少し軽くでいいので、身体を動かしたほうが疲れは早く取れると覚えておきましょう。
<筋トレの翌日に筋肉痛がなければ果たしてそのトレーニングは効果がないのか?>
今度は筋トレを頑張った翌日に筋肉痛が現れなければ、その筋トレは効果がないのか?といったことです。
結論から言うと、筋肉痛がなくたってトレーニング効果はしっかり現れます。
筋肉痛というのは筋膜などの表面に近いところの炎症と先ほど説明しました。
しかし筋トレで筋繊維が破壊されるということは、筋肉の表面だけが傷つくわけではありません。
ちゃんと筋肉の中の方まで刺激が入っていきます。
ですから翌日に筋肉痛を感じなくても効果がないわけではないんです。
逆に筋トレ翌日に筋肉痛がないからと言って、もう一度同じ部位を連日で行なうことはやめましょう。
しっかり追い込んでいればその筋肉はかなり消耗していますから、怪我を防ぐ意味でもトレーニングはせずに休息と栄養をしっかりと与えてください。
筋肉の使い方次第で筋肉痛の起こりやすさも変わる
筋肉への負荷の与え方は大きく分けて3つあります。
それがコンセントリック(ポジティブ)動作・エキセントリック(ネガティブ)動作・アイソメトリック動作の3種類です。
- コンセントリック(ポジティブ)動作・・・筋肉が収縮しながら力を発揮する動作
- エキセントリック(ネガティブ)動作・・・筋肉が伸展しながら力を発揮する動作
- アイソメトリック動作・・・筋肉が収縮も伸展も起きずに力を発揮する動作
ダンベルカールで例を挙げると、ダンベルを上に持ち上げる動作がコンセントリック、ダンベルを下げる動作がエキセントリック、肘を90度に曲げた状態をキープするのがアイソメトリックです。
この中のうちエキセントリック動作が1番筋肉痛が出やすいと言われています。
引き続きダンベルカールで例えますが、つまり高重量の重りでダンベルを動かしてもリフティングスピードを早く上げること(コンセントリック)重視で上腕二頭筋を追い込んでも、筋肉痛はそこそこ。
反対にダンベルを下ろす動作で上腕二頭筋に力を込めながら(エキセントリック)重視で少しゆっくり行なう方が、筋肉痛は現れやすいということなのです。
ですので筋肉に対する負荷=筋肉痛の程度ではないということが言えます。
ちなみに余談ですが、筋肥大をしたければ外見の筋肉である速筋を鍛えなければいけないので、読んで時の如くできるだけ速さを重視した筋収縮を心がけたほうが良いですね。
<筋肉痛の原因と筋肉痛の最中のトレーニングについてまとめ>
以上が筋肉痛がなぜ起きるのか、そして筋肉痛の時のトレ-ニング効果についてでした。
途中でも書いたのですが、筋肉痛の原因やメカニズムはまだ完全には解明されておらず、今後スポーツ界でも筋肉痛という状態の扱い方が変わる可能性があります。
しっかりと筋肉痛のメカニズムが解明されることを個人的には非常に楽しみです。
また筋肉痛の時のトレーニングですが、スポーツに取り組んでいる方で筋肥大メインのボディメイクに取り組んでいるのでなければ多少筋肉痛だろうが練習はしてもいいと思います。
ここではあくまで筋肥大をしたければ筋肉痛がひどい時はその部位は避けてトレーニングしましょうという事です。
最後に筋肉痛が筋トレの効果を計るバロメーターではないと分かっても、やっぱり次の日の筋肉痛は嬉しいものだと思います。
痛みを楽しむ、まさにドMになって筋肉を作っていきましょう!
それでは今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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タクヤ
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