子供の筋力トレーニングは危険!?体の発達に悪影響なのかを解明する

先日、僕が勤務するスポーツクラブの会員さんからいただいた質問をテーマに上げてみたいと思います。
その内容は「小学生の子供に筋トレをやらせるのはどうなんですか?」と言うもの。
ご自分のお子さんが何かのスポーツに取り組んでいて、そのスポーツのためにも筋トレをさせていきたい。
けど発達段階の体に筋トレをやらせると身長が伸びなくなってしまうなど悪影響が出るのではないか?
と心配になるお親御さんはけっこういます。
筋トレは小さな子供や、成長期の発達中の体には悪影響なのか?どういうように体力づくりをやらせればいいのか?
そんな疑問に焦点を当ててみましょう。
目次
成長期の筋トレは身長が伸びなくなるのか?
成長期に行なう筋トレについて否定的な意見があります。
骨への影響が出て身長がストップしてしまうからというものです。
しかし、ちょっと待った!!!
全然そんなことはないです。
筋トレが体の発達に対して悪影響を及ぼすということは科学的なデータはなく、身長が伸びなくなるといったことは証明されていないです。
むしろ僕は子供には小学生であろうと筋力トレーニングをどんどん推奨してます。
筋トレ自体というよりも筋トレのやり方を間違ってしまうと体に影響が出てしまいますが、そこのポイントは後ほど説明しますね。
日本人と欧米人の身長差
例えば日本人とアメリカ人を比べてみてください。
平均身長はどちらが高いでしょうか?
答えは明らかにアメリカ人ですよね?
そんなことは誰でもわかりますよね(笑)
ではこちらの質問。
筋トレはどちらの国が盛んでしょうか?
海外の映画を見ると筋トレのシーンがよく出てきます。そして主人公は筋肉質な人が多い。
そうです、これもアメリカなんです。一体何が言いたいの??
そこに成長期の筋トレと身長の関係が表れています。
それだけ筋力トレーニングはアメリカではメジャーなカルチャーです。
スポーツをするアメリカ人の学生はダンベルやバーベルのウエイトトレーニングに取り組む人が多いそうです。
もちろん日本とアメリカでは食生活も違うでしょうし、遺伝的要素もあるとは思います。
しかしそれを除いても、あれだけの筋トレ大国であるアメリカ人のほうが平均身長が高い。
単純にみても筋力トレーニングをすることが身長を低くするとは考えづらいです。
子供のうちから筋力トレーニングを行なうことのメリット
子供にはむしろ積極的に筋トレをやらせてあげましょうね。
体の発達段階に筋トレをやらせてあげると実は多くのメリットがありますよ。
例えば今回の質問の真逆の答えになっちゃいますが、なんと筋トレは身長を伸ばすことに大きく貢献します。
なぜなら筋トレをすれば成長ホルモンの分泌が盛んになるからですね。
成長ホルモンは成長期の最中に多く分泌されて、筋肉や骨の形成に作用します。
それが筋トレをすることによって、脳が指令を出しこの体はもっと筋肉が必要だという事になるのです。
この他にも筋肉を付けるためにタンパク質を多く摂ろうとします。
タンパク質は骨格筋をはじめ身体の材料になる栄養素ですから、タンパク質を積極的に摂ることでより身長が伸びやすくなります。
ではなぜ筋肉が増えると背が伸びないと言われるのでしょうか?
身長が伸びるには成長軟骨という軟骨組織が必要になるのですが、昔は筋肉が増えることで成長軟骨の生成が少なくなると言われていたのです。
しかし科学的な調査の結果で、筋肉の増加が成長軟骨の生成を抑えるというデータは一切現れていません。
ですから筋肉が増える=身長が伸びなくなるとは言えませんね。
成長期で筋トレする時の注意ポイント
成長期に筋トレをするうえでやり方次第では体に悪影響が出ることもあります。
それを知っておくだけでも、安全に子供に筋トレをさせる事ができます。
注意ポイント1:自重トレーニングをメインに行うこと
自重のスクワットやプッシュアップ(腕立て伏せ)、クランチ(腹筋の筋トレ)などをやらせましょう。
注意ポイント2:軽い負荷で回数重視
筋肉に憧れる男子がいたとしても、まだ小さい子供や成長期の子供に6~10回が限界の筋肥大トレーニングをやらせてはいけません。
小さい子供や、成長期の最中は関節がまだ強くなっていません。
高重量な負荷を扱うと変形関節症になってしまう可能性もあります。
関節の機能障害になってしまうリスクを避けましょう。
筋肥大したいという場合は成長期が終わる18~20歳頃から始めるのでまったく遅くはありません。
注意ポイント3:関節に負荷がかかり過ぎないメニューを選ぶ
コンパウンド系(多関節)種目のほうが、アイソレーション系(単関節)種目よりも関節に負担がかかりません。
コンパウンド系=2か所以上の関節が稼働する
例):ベンチプレス、スクワット、ショルダープレス
アイソレーション系=1か所の関節のみが稼働する
例):ダンベルフライ、レッグエクステンション、サイドレイズ
よってダンベルフライよりもベンチプレス、レッグエクステンションよりもスクワットを選んでトレーニングをしてください。
子供には体幹トレーニングが最高の筋トレ
今まではどちらかと言うと筋肉を動かしながら行なう筋力トレーニングを紹介してきました。
ですがここで紹介する筋トレは逆で、筋肉を固めたまま動かさないという種類のトレーニングです。
代表的なものにはプランクという種目があります。
正確にはアイソメトリック(等尺性筋収縮)種目というのですが、要は筋肉の長さを変えずに行なうトレーニングです。
筋肉を動かさないが故に関節も動かず、関節に負担がかかりづらいというメリットがあります。
またトレーニング効果としては身体のバランス力や運動神経を高めてくれます。
身体の軸がブレづらくなり、あらゆるスポーツのパフォーマンスアップに繋がります。
サッカーの長友選手なども本などを出されていますが、それほど効果的なトレーニングだということです。
体幹トレーニングを子供にさせるときの注意点ですが、ほとんど大人と変わりません。
1、フォームをしっかりと覚えさせる
2、フォームの最中、呼吸を継続させる
この2点をまずはしっかりやらせましょう。
子供に筋力トレーニングを習慣にしてもらうには
子供はただやれと言ってもなかなか筋力トレーニングはやってくれません。
大人でさえ筋トレが嫌いな人もいるのに苦しいことを我慢するというスタンスではやりません。
ましてや子供だったらなおさらなんです。
まずはゲーム感覚でトレーニングと遊びを融合させてみてください。
特に体幹トレーニングでは「このポーズができるかなー?」と言った具合に、片足上げのフォームなどをやらせてみるのです。
後は多少でもお父さんやお母さんが筋トレを頑張ってみてください。
子供も親を真似するようになります。
僕が自宅で筋トレをやっていると3歳の息子はすぐに真似してきます。
この前はワンレッグのプランクのようなものを僕の前でやってきました、まだ1歳半です(^_^;)
でもきちんとしたトレーニングでなくてもいいんです。
外で遊ぶ子供は相撲ごっこや、取っ組み合いで体幹を知らず知らずに鍛えています。
ですが現代は家の中にいることの多い子供達です。
それでしたら体幹を鍛えられるトレーニングを遊びを兼ねてやってみてはいかがですか?
まとめ
□子供のうちに筋力トレーニングを実施していると、成長ホルモンの分泌などが活発になって身長が伸びやすい。
□子供のうちには高重量の筋力トレーニングは避ける。
□関節に負担がかかる種目は避ける。
□子供に筋力トレーニングをやってもらうには遊びの要素を入れてやってみる。
子供の頃に筋トレをやったとしても実は悪影響は全くないです。
子供の精神的な強さを育てる意味でも、筋力トレーニングはぜひやらせてみてください。
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タクヤ
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