有酸素運動と筋トレの順番はどっちを先にすべき?優先順位と適切な割合についても!

ジムで体を動かすときに、皆さんはどんなルーティンでトレーニングを行なっていますか?
まずは30分ランニングマシンなどの有酸素運動をして、その後に筋トレマシンを一通り実践し、ストレッチで身体を伸ばして終わりという感じでしょうか?
またはよく身体をほぐしてから筋トレに取り組んで、最後にバイクやランニングマシンで有酸素運動をするという方もいると思います。
僕は基本的にはその人のトレーニング目的によって、取り組む内容や順番は変わるものだと思います。
ではその目的が筋肥大だった場合どうでしょうか?
筋トレでバルクアップ(筋肥大)と有酸素運動は組み合わせてやった方が効果的なのか?
それともどちらか一方に集中するべきでしょうか?
中にはどちらもしっかり行いたいというちょっと欲張りさんもいるかと思います(笑)
ですが、ここではっきりと言っちゃいます。
筋肥大するためなら有酸素運動はまったく必要ありません。
しかも気をつけなければいけない事があります。
なぜならやり方次第では、有酸素運動をやり過ぎては筋肉を減らす事になりかねないのです!
なぜ筋肥大に有酸素運動は必要ないのでしょうか?
そしてもし、筋肥大と有酸素運動をいっしょに行うための効果的な組み合わせとは?
これらについて調べたことをここに書いていきます。
筋肥大を目的にしながら、有酸素運動も楽しみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
<有酸素運動の効果>
まず基本的なところから。
有酸素運動とは体内に酸素を取り込みつつ、運動を継続的に行なう持久的な運動の事を言います。
身体に対する負荷は小さくて、長時間継続して運動ができます。
先ほど有酸素運動は筋肥大目的にはやらなくていいと言いましたが、生活習慣病などの疑いがある方は積極的に取り組んでください。
以下の生活習慣病はゆっくりと行う有酸素運動で十分に改善できます!
- 高脂血症
- 糖尿病
- 高血圧症
・高脂血症
この症状は血液内に悪玉コレステロールが多く存在している状態です。
軽めの有酸素運動を続けて、血液内の悪玉コレステロールをエネルギーとして燃焼させましょう。
・糖尿病
また糖尿病も同じで、軽めの有酸素運動を続けて血液内の糖分をエネルギーとして使用することで、血糖値を改善できます。
・高血圧症
高血圧も様々な要因の一つに、悪玉コレステロールが血管の内側にこびり付いているというのがあるので、有酸素運動で改善できます。
この他にも認知症の予防といった効果や、精神的に前向きになるといったことも有酸素運動にはあります。
体質改善を行うためにも、目的によっては有酸素運動を積極的に取り入れていってください。
<目的によって有酸素運動と筋トレの優先順位を変えよう>
筋トレでバルクアップと有酸素運動を両方やっていきたいという気持ちはよく分かります。
20代初期の若い頃は僕も1回ジムに行けば、筋トレとランニングを合計で2時間以上はやっていました。
しかしスポーツクラブで勤務してたくさんのことを勉強していくとその考えは変わりました。
身体というのはトレーニング目的を絞り、メインのトレーニングに集中する。
他の種目は補強という程度でやっていく方が効率的だということがわかったのです。
つまり優先順位を明確に設定して、自分が筋肉を増やしたいのか?
それとも脂肪を燃やしたいのか?というところに注目して取り組む内容を変えましょう。
なぜ有酸素運動と筋トレを同時にガッツリやるよりも、一つに集中して取り組む方が効率的なのでしょうか?
それは筋肉の仕組みによって決まっています。
まず有酸素運動に使われる筋肉は、主にサイズの小さい遅筋と呼ばれる持久力をつかさどる筋肉です。
なので有酸素運動の競技、例えばマラソンなんかはできるだけ体のサイズは小さくて、軽量な方が成績はアップします。
マラソン選手を想像してみてください。
体の線は細くて筋肉隆々というイメージは湧かないと思います。
反対に大きくバルクアップした身体というのは、瞬間的に力を発揮する速筋が多い体型です。
速筋は発達するとサイズが大きくなって見た目の変化が分かりやすいです。
短距離選手や野球の長距離打者、格闘家などの体型がそれに当たります。
ということから筋肉のサイズが大きいほど、瞬間的に発揮できる筋力が大きいということになります。
持久力は小さい体型が優位、瞬発力は大きい体型が優位、ということは持久力と瞬発力はある意味で両極端な能力ということなのです。
ここで勘違いして欲しくないのが持久力がある人がパワーが無い、または瞬発力がある人がスタミナがないと言いたい訳ではありません。
中には両方のスキルが高い人もいるかも知れません。
要は有酸素運動と筋トレどっちのトレーニングにも全力を注ぐ人が、どちらか片方に特化してトレーニングしてる人にはその分野では勝ちづらいということです。
ボクサーやサッカー選手のように持久力と瞬間的に動く力の両方が必要な競技は沢山あります。
ですが彼らが筋トレに特化した体重100キロ超のヘビー級選手よりも、バーベルを上げることはないという事です。
アスリートでもなく一般のサラリーマンが趣味でトレーニングするようなレベルであれば、
- 自分が筋肉質な体型になりたいのか
- 細身なスレンダーボディを手に入れたいのか
- 日常生活で息が上がらない強い心肺機能を手に入れたいのか
と言ったようにトレーニング目的を意識してメニューを組みましょう。
・目的別の有酸素運動と筋トレの比率
では実際にどのくらいの割合で有酸素運動と筋トレを行うのが理想なのでしょうか?
ここで挙げている割合というのは、そのトレーニングに割く時間の比率で出しています。
例)全部で60分運動するとして筋トレ:有酸素=5:5であれば筋トレ30分、有酸素運動30分実施ということです。
筋肥大目的
筋肉を大きくしていきたいのであれば、筋トレの比率はかなり多くていいです。
筋トレ:有酸素=9:1 または 10:0
有酸素運動なしでもいいくらいです。
もしこれがスポーツに取り組んでいてスタミナも強化しなければいけないのであれば、
筋トレ:有酸素=7:3
くらいがいいのではないでしょうか。
有酸素運動目的
有酸素運動の主な目的には体力増進、脂肪燃焼、心肺機能強化などがあります。
体力増進目的であれば、
筋トレ:有酸素=3:7
脂肪燃焼目的の場合、
筋トレ:有酸素=5:5
心肺機能強化目的であれば
筋トレ:有酸素=2:8
大雑把な感じでまとめましたがこれはあくまで目安であり、
スタミナをより強化したければ筋トレはより心拍数が上がるような種目を選んだりと工夫する必要があるでしょう。
なぜこの比率がいいのかということですが、この後の項目にまとめてありますのでそちらを参考にしてみてください。
・走るだけで筋力アップを目指すのは非効率!?
下半身の筋力をアップさせたいから走ろうと思った人がいたとします。
この考えは正しいでしょうか?間違っているでしょうか?
正解に完璧な答えはありませんが、走っているだけでは筋肉は付きづらいです。
やはり長い時間走っていれば筋持久力は上がっていきますし、微細ながら筋肥大もします(パッと見では分からないくらい汗)
しかし筋力トレーニングという観点で見れば、すごく非効率で足腰は強くなりません。
なぜなら走っている最中に1番筋力を発揮する瞬間は、足が地面に着地してそこから地面を蹴って離陸する時です。
しかしその時間はとても短く、走る全体の時間の4割程なんです。
とても短い時間ですね。
もし足腰の筋力アップがしたいのであれば、やはり筋トレで行う方が何倍も早く筋力がついていきます。
スクワットやデッドリフトで太ももやお尻、太ももの裏側までを丁寧にトレーニングする方がよっぽど早く筋力が着いて、見た目の変化も感じやすいです。
<有酸素運動は筋肥大にはデメリット>
ここからが大事なことなのですが遅筋が増える環境下では速筋は減少し、速筋が増える状況下では遅筋が減少するのです。
遅筋が増える状況下とは、例えばすごく長く走る身体にとってサイズが大きくて重たい筋肉は足でまといの何者でもありません。
しかもそれが消費エネルギーが大きくて、燃費の悪い速筋であれば尚のことです。
身体に邪魔だと判断されれば脳はその筋肉を少なくしようと働きます。
大きな筋肉を分解して他のエネルギー源に変えてしまいます。
ちなみにそのとき筋肉は糖質に分解されるのですが、これを専門用語で糖新生(とうしんせい)と言います。
糖新生が起きると筋肉のサイズが小さくなり、マラソン選手の様に長距離を走るのにマッチした細い体型の出来上がりです。
本人がそれを望んでいれば問題ないのですが、マッチョな体型を手に入れたいのに、知らずに逆の行為をしていたらこんなに悲しいことはありません。
逆もしかりで速筋が増える状況下、例えば高重量でバルクアップ狙いのトレーニングばかりしていれば長時間の運動に向いた体型にはなりません。
ですから筋肥大を目的にしているのなら、長時間の有酸素運動は控えた方がいいと言えます。
有酸素運動の運動時間の目安は長くても30分以内にしましょう。
筋肉の量とスタミナという2つが必要なアスリートでなければ、筋肉をつけるトレーニングのみを頑張る方が効率的なんですね。
ちなみに心肺機能という点で言えば、脚のトレーニングを始めとする大きい筋肉を鍛えると血液が多く体内を巡るために、結果としてある程度の心肺機能の向上も見込めます。
世の中の何も運動をしてないお父さん達より、筋トレをガンガンしているマッスルお父さん達の方がよっぽどスタミナがあるということですね。
<どうしても有酸素運動したい場合のやり方>
では有酸素運動をしっかりと取り組みたいという方のために、筋トレとの組み合わせ方を紹介していきます。
実は有酸素運動は取り組む順番によって得られる効果が変わっていきますので、まず順番を理解してください。
ちなみにトレーニング目的は筋肥大という事にします。
・有酸素運動を筋トレの前に組み合わせる場合
一つ目のパターンは、有酸素運動を筋トレよりも先に行なうパターンです。
この場合に得られる効果は、しっかりと身体を温めることにより後半で行う筋トレの可動域と出力パワーを大きくすることが可能です。
発揮筋力が増え、大きな可動域で筋肉を使えればその分筋肉に刺激を与えることが出来て筋肥大しやすくなります。
この場合の注意点として走る負荷レベルにもよりますが、
あまりにも疲労すると筋トレのエネルギー源であるグリコーゲン(糖質)が不足して発揮筋力がダウンします。
筋トレは糖質をエネルギーにしますが、有酸素運動も同じです。
特に長時間の有酸素運動で疲労が激しいほど、筋グリコーゲンは枯渇していて筋肉がパワーを発揮出来なくなります。
これを防ぐためには、こまめにBCAAをスポーツドリンクとして運動の最中に補給しましょう。
BCAAとは必須アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシンの総称で、筋肉の分解を防いでくれるものです。
・筋トレを有酸素運動の前に組み合わせる場合
では今度は筋トレを先にやってから、その後に有酸素運動をするとどうなのかということを見ていきましょう。
得られる効果としてはまったく疲労のない状態で鍛えたいターゲットの筋肉をトレーニングできるので、しっかりと追い込み効かせることができます。
基本的に筋トレは限界を迎える(オールアウト)まで追い込まなければ効果は出てきませんから、体型を変えたい方には疲労がない状態というのは特に大事なことです。
また筋トレを先にすることにより糖質をエネルギー源として燃やしますから、その後の有酸素運動で脂肪がエネルギーとして使われやすく燃焼効果が高まります。
反対にデメリットといえば、筋肥大においては特にありません。
筋トレはウォームアップにならないという意見もあるかもしれませんが、筋トレでも正しい方法でやればウォームアップは十分できます。
しかしマラソンを本気でやっていて、ある程度のタイムを意識している方には先に筋トレで筋肉を疲労させてしまうとランニングのパフォーマンスは低下します。
ですからしっかりと有酸素運動をメインに行っている方には、筋トレよりも先に行う方がお勧めです。
・結局は自分の目的次第になる
筋トレと有酸素運動の両方のパターンを見てみましたが、先にはじめた種類の運動の方が身体機能を向上しやすいという事が分かりました。
つまり自分が筋肉を大きくして筋肥大したいのか、
それとも心肺機能を鍛えて無尽蔵のスタミナを手に入れたいのかによってトレーニングの順番を決めればいいのです。
筋トレにも1番発達させたい部位を1番最初にトレーニングするというやり方があります。
それと同じで、筋トレと有酸素運動にも同じような法則が当てはまるのです。
ですから今やっているトレーニングの組み合わせ順が効果的な順序でなかったら、今度から順番を変えてみてください。
それだけでやる内容は同じでも、得られる結果は違ったものになってくることでしょう。
・アクティブレストで回復させる
筋トレしない日に軽めのジョギングをしたり、水中歩行をしたりといったことをすると疲労回復効果が高まると言われています。
この事をアクティブレストと言います。
実は人間は何もせずにただゴロゴロしてるよりも、少し動いて血流を良くする方が疲労物質を体内からデトックスしてくれるんですね。
ですからただ寝てばかりいるんじゃなくて、軽い運動やストレッチでもいいので体温を上げてやる事で血流が上がり、翌日に疲労回復する度合いが違ってくるのです。
上手に疲労回復したい場合はアクティブレストを取り入れてみてくださいね。
<まとめ>
- 持久的な筋肉と瞬発的な筋肉は同時に発達させていくことは難しい。まずはどちらの体型になりたいかを決める。
- 持久的な筋肉と瞬間的な筋肉はどちらかが増えればどちらかが減るようになっている。
- 先に有酸素運動をするメリットは疲労していない状態で始めることができて、効果的に心肺機能を上げられる。
- 先に筋トレをするメリットは狙ったターゲットに強い負荷を入れやすく、速筋の発達が見込めやすい。
- 自分がなりたい体型の筋肉を使う運動をはじめに行うことが効果的。
- アクティブレストを活用するために、筋トレのオフ日(筋トレしない日)に有酸素運動をする方がいい
「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがありますが、有酸素運動も筋トレも同じことが言えるんですね。
マラソン選手やフィギュアスケート選手で大きな体型の人がいないように、
ラグビーや砲丸投げの選手にすらっとした細身体型な人がいないようにです。
どういった体型を目指すかで、トレーニング方法を選ぶのが基本であり大事だということですね。
僕はもちろん筋肉が盛り上がったマッチョ体型を目指したので、ランニングマシンでほとんど走った事がありません(笑)
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タクヤ
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